ゴルフ大好きマスターのゴルフスイング理論vol.2 / シャローイング/北千住ロックバー7th-chord

前回は切り返しからインパクトゾーン手前までをシャローに迎えようって話でした。

今回は寝かせたクラブをインパクトゾーンでどう処理するか、です。
めちゃくちゃ大事な話。

前回から話を進めると、シャロースイングで大事なのはクラブを寝かせる動きだけではありません。その後もめちゃくちゃ大事。インパクトゾーンで正しくクラブを操れないとシャローもナニもありません。寝かせたクラブも台無しになります。
初めてシャロースイングに取り組んでクラブを寝かせた時に殆どの人が思うのが『このまま打ったら右に行く気しかしない』ということでしょう。
クラブを倒した状態というのはフェースがかなり開いた状態なので、スイング中に『このまま振ったら右に行きそう』と本能的に感じ取れるんですよね。
で、そのまま球にアジャストするとフェースはマン開きなんで当然球は捕まらず右にスライス、シャンク、トップ、あらゆるミスが出ます。なのでその開いたフェースをインパクトまでの何処かで閉じてあげなきゃいけません。その為の動作を2つ説明します。

まずはフェース単体に焦点を当てた
『左手の掌屈によるシャットフェース』
もう一つはクラブ全体に焦点を当てた
『クラブの前倒し』
この2つの動作が必要になります。

今日は『掌屈によるシャットフェース』についてです。
『掌屈』とは手首を手のひら側に折る動作です。これがなかなか大変…。
クラブを握ってやってみると分かりますが左手を掌屈させるとフェースは閉じます。その動作をスイング中に取り入れて開いたフェースを閉じるわけですが、クラブを寝かせるタイミングにタイプがあるように、掌屈でフェースを閉じるタイミングにもタイプがあります。

⚫︎掌屈キメっぱタイプ
(ダスティン・ジョンソン、ジョーダン・スピース、コリン・モリカワ、ジョン・ラーム、ブルックス・ケプカ、ビクトル・ホブラン、渋野日向子etc)
⚫︎掌屈インパクトゾーンタイプ
(キャメロン・チャンプ、ミト・ペレイラ、ホアキン・ニーマンetc)

まずは掌屈キメっぱタイプの説明から。
始動、もしくはバックスイング中に左手を掌屈させフェースを閉じた状態にしてトップを作り、切り返し後もその掌屈をキープしたままインパクトへ向かうスタイルです。
スイング中常にフェースがボールを向いているので途中でフェースを閉じる動作が不要になります。言い換えるとクラブを寝かせてもフェースが開かなくするということです。手首に柔軟性と強さが必要ではありますが、ゴルフスイングにおいて最も重要なフェース管理を最大限シンプルにした形と言えます。

写真のようにフェース面が空を向いている状態はシャット(閉じてる)になります。
逆に開いてる状態だとフェース面は自分の後頭部側に向きます。


次に掌屈インパクトゾーンタイプです。
トップではまだフェースは閉じ切っておらず、切り返し後に掌屈を入れる人が多いです。寝かせて開いてそのあと閉じて、と開閉が少し複雑になりますが、このタイプの方が合う人も沢山います。

比較するとこちらの方がフェースが閉じ切っていないのが分かると思います。つまりこのあとのダウンスイングで掌屈を入れて閉じていく流れです。

先にも述べましたが、シャロースイングをする以上必ず何処かでフェースを閉じる動作が必要になります。どのタイミングで行っても間違いではありませんし、難易度も人それぞれ感じ方は違います。
ちなみに私個人はトップ直前で掌屈を入れ始めるタイプです。トップまで左ハンドルのテンションをキープしたままクラブを立てて上げ、かつトップ手前で掌屈を入れることで切り返し時にクラブが倒れやすくなるトルクを作り出しておきます。自分の身体やフィーリングと向き合った結果、シャローにすることやフェース管理においてこの一連の流れが最も受動性と能動性の両立を作れると判断したからです。
どのタイミングで行うにせよ、左手を掌屈させるとフリップしない限りはロフトが立ったハンドファーストでインパクト出来るため、しっかりと捕まった球で飛距離も生み出せます。
しかし!正しいシャロープレーンでインパクトゾーンを迎え、かつインパクトゾーンでも正しいハンドパスを取ることが大前提です。シャットフェースでフリップしたりカット軌道でインパクトへ向かうとマンチー即死、左OB確定です。ゴルフにおいて最もマズい球が出ます。
掌屈で閉じてるフェース、閉じたフェースというのはあくまで閉じてます。フェース面はフラットではないということをお忘れなく。フラットより閉じた状態のフェースをスクエアに球に当てるわけですから、当然ハンドファーストに当てないとスクエアには当たりません。手だけハンドファーストにしてもダメです。だからプロは身体が全開に飛球線を向いたハンドファースト状態でインパクトしてるんです。そうしないと閉じてるフェース面をスクエアに戻せないからです。言い換えるとハンドファーストを可能にする掌屈とも言えます。
体の回転を止めてフリップしてハンドレイトで当ててもフェースは被り左に飛びます。カット軌道で入ってもフェースはさらに被って当たるので左に飛びます。正しい軌道と体の回転を止めないこと、インパクトまでフェースを返さないこと、それをしっかり意識した上で取り組む必要があります。

掌屈の利点を述べましたが、必ずしも掌屈しないといけないわけではありません。手首の柔軟性や強さ、その他諸々人それぞれ合う合わないがあります。掌屈させることでスイング自体にスムーズさがなくなったり、何より気持ち良く振れないってこともあります。
掌屈しない場合はその他の動きやタイミングでインパクトをフラットフェースに戻せばいいだけです。そっちの方が自分に合うならそれで問題ないし、掌屈にこだわる必要はありません。昔も今もハンドファーストハンドファースト言いますが、『ハンドファーストは神の一手ではない』のです。
ただ繰り返しますが、最低でもインパクトでフェースをフラットにするのは絶対意識しないといけません。お忘れなく。

掌屈の話が長くなり過ぎたので今回はここまで。
次回はクラブ全体に焦点を当てた『前倒し』動作について話します。これは掌屈の有無問わずシャロースイングにおいてスーパースペシャル最も大事な話なのでお見逃しなく。


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